201305

5月例会 講演レポート 
   テーマ「オグリズム 今日から人生が変わる黄金ルール」
   講師 ネッツトヨタ名古屋株式会社
      代表取締役社長 小栗成男氏
 NAGOYA KEIEI KENKYUKAI  BUSINESS & CULTURE    
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          開催日 平成25年5月9日(木)   
          会場  ローズコートホテル   
■比叡山の荒行で学んだこと
私は学生時代、またアメリカ研修での経験から
いろんなことを学びました。
その一部と、トヨタ自動車と全国のトヨタ販売店向けに
研修教材として共同開発した「店頭即決術」の一部を
本にまとめたのが
「オグリズム-今日から人生が変わる黄金ルール」です。
私は、大学2年に上がるときに
体育会自動車部からゴルフ部へ転部しました。
そのゴルフ部を通じて、
出逢った大津新一さんにとても気に入っていただきました。
「お前をゴルフで日本一のプレーヤーにして、やるから」
といっていただいたのです。
その言葉をいただいてから1年。
俺はこのままでは日本一になれないな。
どうしたらいいだろう?と思い、友だちに相談したのです。
そこで、比叡山の「千日回峰行」という
荒行の話を聞きました。
よし、それだと思い、一人で比叡山に向かったのです。
天台宗の僧侶、内海阿闍梨という方に会いに行きました。
11月でしたが、
初雪が降った比叡山はとても寒かったのを覚えています。
「ゴルフで日本一になりたい。精神修行をさせてください」
という私の話に、「お前、覚悟はいいか?」と聞かれ、
「はい」「じゃ、来週から来い」というわけで、
修行が始まったわけです。
夜中の3時から、修行は始まります。
一人の修行僧の後について、
一晩中、比叡山の中を歩き続けるのです。
初日は何とか終わりました。
ところが何日か経過した時に、その修行僧が
「私の後ろからついてくるのでは、修行にならないから、
今日から10メートル離れて歩け」というのです。
山中ですから真っ暗で、前が見えない。
事件が起きたのがその翌日でした。
夜中の2時頃に、
落ち武者達が怒号とともに目の前に現れたのです。
もちろん妄想なのですが、
本当にドラマで見るような血を流し、
髷が垂れ落ちた落ち武者が何百人と迫って来たのです。
その後も、朝まで歩き続けたのですが、
あまりの恐怖で、もう俺は限界だと。
このままいったら恐怖で気がふれるという
心理状態になりました。
しばらくして内海阿闍梨さんに泣きながら、
「もう、帰してください」と訴えたのです。
そこで私は
「貴様っ!、男が一旦言ったことを、何ごとだっ!」と
ド叱られました。
ただ、私としては、
恐くて、それどころじゃなかったのです。
そのあと、
阿闍梨さんのところに、挨拶に行き、許していただのです。
ただ、修行を予定期間より短縮したこと、
そのときに「決めたことは必ずやり遂げろ!」と言われたことが、
今でも私の中にずっと鮮明に残っています。
そのことが
「自分がやると決めたことは絶対にやり抜く」という
教訓になりました。
■地上最強の商人、ビジャンとの出会い
私がこの世で最大限、感動した話をしたいと思います。
映画プリティ・ウーマンで有名になった
ハリウッドのロデオドライブにビジャンという
ブランドの店があります。
ビジャンは、世界で一番高級なブティックの
オーナーです(故人)。
私の宝物であり、オグリズムの原点になった本があります。
オグ・マンディーノが書いた「地上最強の商人」
という本です。
ビジャンは、私の心の中の「地上最強の商人」といえます。
なぜ地上最強の商人かと申し上げますと、
ビジャンとの出会いが私の人生を大きく変えたからです。
私は2000年にアメリカでのプログラムを終え、
日本に帰国した翌年、研修でアメリカに行きました。  
 
そこで高級ブランドが並ぶロデオドライブで
ビジャンの店を見つけたのです。
ちょっと入ってやれという感じでドアを開けました。
そこには180センチくらい身長がある
ブロンドの綺麗な女性が2人座っていました。
私を頭の先からつま先まで「じろっ~」と見下すのです。
小さなキーホルダーが20万もするお店です。
しばらくして、
マネージアという品の良い女性が出てこられました。
何かお探しのものがあればご案内しますが、
いかがでしょうか?といわれて、
高いなと思いながらも、
あとには引けないものですから階段を上がって行ったのです。
そこには、
クリントンやヒラリー、著名人の写真がたくさん並んでいる。
ところが、2階に上がったら商品がないのです。
商品の棚を開けると値段もついていない、
いかにも高そうな商品が並んでいました。
でも、そこまでしていただいたら、
何か買わないといけないなと。
そのときは、ネクタイくらいだったらと思い、
1本購入したわけです。
これが最初の出会いだったわけですが、
そのときビジャンはいませんでした。
その後、アメリカに行き、
店を訪れたときに、ビジャン本人がいたのです。
びっくりすることに、
あの世界一のビジャンですら物腰が柔らかい。
このことが、勉強になりました。
いずれ金を稼いで、
こんなすごい店でお金のことを気にせずに買い物をしたい
という夢を描きました。
そのとき私はビジャンに質問をしたのです。
「なぜ、そんなに成功したのか?」
彼はこう言いました。
私は、一気に成功したわけじゃない。
私はイスラエル人で、正直言って、
最初は英語も話をすることができなかった。
そこからのスタートだったが、
自分でポリシー持っていたことは、
自分の目の前に会った人には、絶対に全精力で接していた。
その結果に過ぎない。
私は、すごいなと思いました。
私が4回目くらいに行った時、
シャツを欲しいなと思っていたのです。
ところがシャツに体を合わせると、袖が長い。
どれくらいの時間で袖を直せるのかと
ビジャンに聞いたら1時間くらいかかると。
1時間して戻ってきたら、
申し訳ないけれど、まだできていないというわけです。
すぐ日本に帰らないといけないので時間がないというと、
じゃあ、あと10分だけ時間をくれというわけです。
ところが10分して、店に戻ったら、まだできていなかった。
今、ラッピングしているという。
また、いい加減なことをいっていると思ったので、
「もう待てない、もういい、帰るっ!」といって
帰ろうとしたのです。
すると、彼は
必死に私の手をつかんで、
2分くらい歩いたところに連れて行かれました。
そこは5、6人の白髪の紳士な人たちが
裁縫をやっている部屋でした。
そうしたら、
本当に今ラッピングをやっているところだったのです。
正直言って、彼にとって、
シャツ1枚なんて、大したことはない。
日本から来て、
それほど高い買い物をするわけでもないような人間に
差別なく接する彼の姿勢に感動しました。
もうひとつだけ感動したことがあります。
あるとき、店にいったとき
クロコダイルのジャンパーがあったのです。
高そうだし、買う気はなかった。
すると、ぱっと私の横に来て、
「気に入った?」と彼が聞くのです。
「気に入ったのなら、今日、持って帰ってくれ。
お金はいつでもいい」というわけです。
車を売っていて、こんなこと、私は言えません。
すごいことです。
これが、彼が苦労しながら成功してきた商売の極意
なのかなと思いました。
今までの経験から学んだことを活かして
これからも、一所懸命、ビジネスを頑張って行きたいと
思っています。

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