講師:名古屋学院大学経済学部特任教授 井澤 知旦氏
テーマ:『“消毒都市”名古屋の都市魅力を創出するために』
どのような経緯で名古屋の都市イメージが形成されていったのか。そして、今、どのように変化をしていかねばならないのか。〈消毒都市〉と〈物語都市〉をキーワードに名古屋の新たな魅力とアイデンティティを提案する。
名古屋の街の変遷を江戸初期の清州越えから直近の久屋大通整備まで俯瞰したうえで、都心にあった路地を戦災復興で失ったことを「消毒」と表現する視点にしびれた。戦後70余年をかけて厚みを増してきた商店街(大須と円頓寺)、大通(久屋と若宮)、ミチ(文化、ものづくり)の界隈を「3組の二都物語」として紡ぐ筆致も白眉だ。筆者は大阪で生まれ名古屋にきて都市計画を学びコンサルタントや大学教員をされてきた。ぼくは同い年の関西出身者として随所でうなずき、丹念な図表に感嘆し、わが街の路地をもっと訪ねたくなった。