201401

1月例会 講演レポート 
  テーマ  アクアイグニスという成功物語
  講 師  株式会社アクアイグニス 代表取締役
       株式会社KODO CC Group代表取締役 立花 哲也 氏   
 NAGOYA KEIEI KENKYUKAI  BUSINESS & CULTURE    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
          開催日 26年1月15日(水)    
          会場  ローズコートホテル   
■癒しと食の総合リゾート地、アクアイグニス誕生
アクアイグニスは、
三重県菰野町にある温泉リゾート施設です。
ここの温泉は、
もともと片岡さんという方がやられていまして、
私共が10年前に譲り受けました。
当時はボイラー施設がなく、
お湯がなくなったら、全てがなくなる
といったところだったのですが、
温泉業者の掘削業者に聞くと、
私が生きている間は枯れないくらいの湯脈がある
ということで、安心して買ったわけです。
当時の古い施設でも
年間に、24万人もお客さまに来ていただいていました。
このことも今回、オープンを踏み切った理由です。
加水・加温・循環・添加物一切なしの
『源泉100%かけ流し』で
1分間に600リットル、43度で湧いていています。
そもそも、なぜ私が、
こんな施設をオープンできたのか。
高速道路に古い片岡温泉があたりまして、
それで、道路公団から移転費用をいただいたからです。
そこで考えたのは、
せっかく移転するなら、どこにでもないもの
ということで、今回の計画をしたのです。
ネーミングは、
最初、温泉ファームとか、
湯の山ファームランドとか、いろいろ考えていました。
最終的には今までにないオシャレなものにしたいな
ということで、アクアイグニスとしたのです。
アクアイグニスの料理人のひとり、辻口パティシエ。
「料理の鉄人」ではパティシエとして初の優勝。
5度の世界 大会に日本代表として出場し、
数々の優勝経験を持つ日本を代表するパティシエです。
最初は、世界一のパティシエに
お願いすることまでは考えていませんでした。
地元や周辺の有名店からと思っていたのです。
ところが、
「なぜ、そんな湯の山に・・・」と、
誰も相手にしてくれなかったのです。
辻口パティシエは、知人の知人でした。
今回のプロジェクトについて、何かできないでしょうかと
辻口パティシエにお願いをしたところ、
想いが重なるところがあって、
思いがけなく、話が進んだのです。
施設内には、
スイーツのコンフィチュール アッシュ、
パン屋さんのマリアージュドゥファリーヌなどの
人気店があります。
マリアージュドゥファリーヌは、1ヶ月遅れて
オープンしました。
ガスの窯にしようか電気にしようかと迷いましたが、
やっぱり薪だろうということになって
スペイン製の石窯や薪を使ってパンを焼いています。
もうひとりの奥田シェフ。
山形県鶴岡、銀座、
東京スカイツリーレストラン棟にイタリア料理店をもつ、
地産地消を実践するシェフです。
独創性に富んだ料理は、
世界の料理人1000人にも選ばれるなど、
海外でも高い評価をうけています。
経緯として、辻口パティシエとの話の中で、
一緒にやるなら奥田シェフだということになりました。
そこで、
なんとかアクアイグニス出店のお願いしよう
ということになったわけです。
奥田シェフがやっているレストランとしては、
シェフ自身の名をつけた奥田食堂、
カンティーナ・ジェノバ、
サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノなどがあります。
温泉施設の中では、
辻口シェフがやっているラスクやお茶なども
販売しています。
今回の計画の中で、
ちょっとおもしろい取り組みをしました。
私共のグループに、「建サク」という
システムを運営している会社があります。
建サクというのは
建設工事を受発注する「建設マッチングサイト」です。
今回はすべてこのシステムを使って、発注をしたのです。
まず、大阪のゼネコンさんに
経費として10%をお支払いすることにして、
受け手になっていただきました。
その上で、このオークションを使って
全てすべての下請け工事を出して下さいという
依頼をしたわけです。
これによって当初15億くらいの工事金額が、
13億5千万くらいにコストダウンしました。
また、建サクというサイトだけでなく、
「設ケイ」というサイトも作っています。
これは設計のコンペをするサイトです。
今回は、シェフたちがプロデュースした温泉リゾートを、
いついつまでに、設計(案)を出してしてください、
賞金は100万円だします
ということで募集をかけたのです。
すると70くらいの設計事務所から
いろんなデザインをいただくことができました。
このサイトを使うと、
例えば、自宅などでも、賞金20万とか30万くらいだせば
デザインが集まります。
何もないところに、
新たに施設を造るというのは大変ですが、
そもそも、人が来ているところに造った。
成功要因としては、
これが大きかったのではないかと思います。
オープンにあたり、参考にしたのは、
滋賀県近江八幡で「たねや」さんがやっている
「クラブハリエー」というケーキ屋さんです。  
ここは平日でも行列ができるほどの人気店です。
辻口パティシエは、石川県能登の出身で、
アクアイグニスをオープンする何年か前から、
ケーキ屋さんをやっていました。
そこでも旅行者が、意外にスイーツを買っていく
というのを知っていたのです。
そういう話を聞くと、
お菓子、ケーキというのは、集客ができるんだな
と思います。
当初、目指していたのは70万人だったのですが、
昨年一年で97万人の人たちが来てくださいました。
アクアイグニスがオープンして、
まだまだ成功物語といえるほどではありませんが、
日々努力をしているところです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。