開催日 平成21年9月16日(水)
会場 ローズコートホテル
■■グローバル時代を生き抜くために■■
グローバリゼーションが始まったのは1989年~91年です。
それまでは「自国」対「外国」という発想でした。
グローバリゼーションが始まることで、
世界の中の日本、
日本から世界へどういう付加価値をつけて発信していくか
というダイナミックな見方に変わってきたわけです。
ところが、
日本ではグローバルという言葉は使われていますが、
多くの人の頭の中の世界地図は白地図の状態。
これを変えたいというのがグローバル教育の出発点です。
90年代半ば、世界の価値観が変わりました。
冷戦体制時代には政治イデオロギーが重要でした。
その後、90年代になって、
主要民族のアイデンティティと、
彼らの文化のDNAというものが重要になってきた。
したがって、
今、世界市場でビジネスをするときには、
どの民族が、どういう文化のアイデンティティを持っているか
ということを理解して現地人をモチベートしていく必要があるわけです。
地球上に生きている68億人の心の構造が解ればビジネスも
上手くいく。
そこで、
アメリカの会社で働いていた30ヶ国の現地出身の
インストラクターと一緒になって作り上げたのが
「文化の世界地図」です。
これには合計30ヶ国の文化のDNAに基づくインテリジェンスを
収録しています。
あらゆる社会は
価値の中心をどこに置いているかによって
3つの文化コードに分けられます。
●価値の中心を「ルール」に置いている国を「リーガルコード」の国。
米国、カナダのアングロサクソン系住民の地区、
英国、北欧諸国があります。
世界のグローバル競争力の上位20ヶ国の中には、
リーガルコードの国が全部入っています。
●日本を含めたアジア諸国、ラテンアメリカ諸国などの
「モラルコード」の国。
これは「人間関係」が非常に重要な社会です。
●「神の教え」が価値基準の中心である「レリジャスコード」の国。
中東諸国、北アフリカ諸国などがあります。
これら3つのコードのうち、
2つ以上を併存している国を「ミックスコード」としています。
それぞれのコードでは、
判断の基準や信頼関係の作り方、
問題が起きたときの解決の仕方、
コミュニケーションや交渉のスタイルが違います。
モラルコードとレリジャスコードは一見、類似性がありますが、
リーガルコードとモラルコードには共通点がないばかりか、
価値観が180度違うのです。
■■なぜグローバル教育が必要なのか■■
いろんな民族のDNAを勉強していくと、
日本人のDNAの中には、
残念ながらグローバル時代で勝つための要素が少ない
ことが解ります。
現場から立ち上がってくる知恵、
ノウハウ、精神性というものに注目する文化だからです。
それに対して、
米国人のDNAの中には、
ルールを作っていくというリーガルバリューが社会の価値観に
なっている。
グローバリゼーションの時代が来たとき、
世界共通のルールを作るということになると
米国人のDNAの方が、優位性を持っているといえるわけです。
日本人にとって、もっと問題なのは、
中国人のDNAの中にグローバル時代に開花する要素を
いくつか持っているということです。
したがって、
日本人は、学習によってDNAの差を埋めていくことが
要になるわけです。
そのためには、
どういうグローバル教育を、早く、適切に根づかせるかということを
自覚する必要があります。
そのために、
今、日本で3つのプロジェクトを進めています。
●文化の世界地図を使って世界市場で勝つための人材育成
●子供のグローバル教育オリジナルプログラムである
「地球村への10のステップ」の私立中等・高等学校、
インターナショナルスクール、大学への導入
●グローバル人材検定の立ち上げ
「地球村への10のステップ」というのは、
子供たちが自分でデザインしたグローバルコースターに乗って
3500年の時間と世界空間からなる「地球村らんど」を旅をする
という体験プログラムです。
今、名古屋に「地球村への10のステップ」のテーマパークを作ろう
という願ってもないアイデアがでています。
米国生まれの「ディスニーランド」、メキシコ生まれの「キッザニア」
に続き、日本人が創った「地球村らんど」を体験して、
子供たちが21世紀の素晴らしい担い手になってくれたらと
思っています。
グローバル教育というのは、
個をグローバル化することによって、
絶大な能力を身につけるという歴史上初めての教育です。
もし名古屋にいち早くグローバル教育を根づかせることができれば、
名古屋を日本の未来都市に変えることができるのではないかと
思っています。
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■■ バックナンバー■■
●バックナンバーは、
当会ホームページにてご覧いただけます
http://www.nagoyakeiei.jp/
◇最近の講演◇
●平成21年7月例会 講演レポート
テーマ 「政界の血判集団、青嵐会―政治が面白かった時代の物語」
講師 元毎日新聞社 常務
慶應大学マスメディア・コミュニケーション研究所講師
ジャーナリスト 河内 孝氏
●平成21年6月例会 講演レポート
テーマ 「経営と技術をつなぐ情熱
-愛娘が導いてくれた企業理念とは-」
講師 株式会社 東海メディカルプロダクツ
代表取締役 筒井 宣政 氏
●平成21年5月例会 講演レポート
テーマ 「名古屋COP10成功に向けて
-経済・社会・環境のバランスを目指して-」
講師 名古屋市立大学大学院
経済学研究科准教授 香坂 玲(りょう)氏
●平成21年4月例会 講演レポート
テーマ 「こんな時代だからこそ グッドニュースを伝えたい」
講師 株式会社グッドニュース・ジャパン
代表取締役 安在 尚人 氏
●平成21年3月例会 講演レポート
テーマ 「夢ちからのかぎり」
講師 名古屋市・市会議員
のりたけ くにひと(則竹勅仁)氏