2007年6月 僕たちの音楽ビジネス

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■■ 6月例会 講演レポート
■■■ テーマ  「僕たちの音楽ビジネス」
■■■■ 講 師 サンデーフォークプロモーション
■■■■■     桑原 宏司 氏
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                開催日 平成19年6月19日(火)
                 会場  ホテルオークラレストラン名古屋
■■ロイヤリティービジネス■■
私たちの会社はコンサートをやっている興行会社のような
イメージがあります。
ところが、実は、そうではなくてプロモーション会社です。
例えば3000円のCDが売れるとします。
その場合、
レコードショップが25%から28%のマージンをとっていきます。
残りがレコード会社の取り分で、
そのうちの30%から40%が、ロイヤリティーです。
ロイヤリティーとは、原盤・出版・作詞や作曲などの印税を言います。
1枚ごとにCDが売れるたびに、何百円というお金が入ってきます。
仮に3000円のCDの原盤印税を15%の契約とすると、
450円ずつ入ってくるわけです。
全国で10万枚売ると、4,500万。
ですから、
原版制作費としてスタジオの使用料とか、ギャラなど、
いろんな雑費を入れても、3,000万で抑えることができたら
1,500万儲かることになるわけです。
作るまでは大変な作業ですが、
作ったあとは宣伝をして売っていきます。
あとはレコードが売れるたびにお金が入ってくるのです。
そう考えると「売れる原盤を持つ」。
これが大事になってきます。
つまり、
私たちがやっているのはロイヤリティービジネスなのです。
■■さまざまな出版ビジネス■■
もうひとつのロイヤリティーが出版です。
普通、出版といえば本ですが、
我々がいう出版というのはレコードです。
レコードには出版権というのがあります。
出版会社がレコード会社と交渉して、
CD1枚に対して5%とか、8%というように出版の印税を
決めるわけです。
これも収益は原盤印税と一緒です。
また、実演に関しての出版という印税もあります。
アーティストがコンサートツアーをやると、
コンサートの企画会社は著作権協会に楽曲使用料を払う
わけです。
その使用料から著作権協会が手数料をとって出版会社に
払います。
他には、カラオケ。
例えば、スナックに行くとだいたいカラオケは、1曲200円。
その場合、
第一興商などのメーカーがだいたい40~60%持っていきます。
あとの40~60%が店の収益です。
そして、
カラオケメーカーは楽曲使用料として著作権協会に、
取り決められた楽曲使用料を払います。
著作権協会は手数料を数%とって、出版会社に払うわけです。
出版印税の中には、作詞作曲印税が含まれます。
1曲詩を書いて、1曲曲を作ると、
1曲について数円から数十円というお金が作詞作曲者に
支払われます。
例えば10曲入りのCDであれば、
数十円から数百円。仮に10曲で100円と仮定して、
それが100万枚売れたら、1億円が作詞者、作曲者に
分配されます。
他には、
例えば、放送局(テレビ局、ラジオ局)では楽曲を使用しますし、
百貨店ではBGMを流します。
その場合、
放送局は売上げの%というふうに決められた額を一括して、
著作権協会へ支払います。
商業業施設の場合の換算率は放送局に比べ低いですが、
同じようにして著作権協会へ著作権使用料が支払われます。
■■サンデーフォークの基本スタンス■■
楽曲を売るためのプロモーションツールは何が一番良いか
というと「ライブ」です。
良いライブをやるアーティストは、必ずCD(アルバム)が売れます。
私たちがやったのはライブの入場料を安くして、
コンサートにたくさん来てもらって、帰りにCDを買ってもらう。
これが私たちのビジネスの基本スタンスでした。
21世紀になってきまして、
だんだんビジネスの構造自体が変わってきています。
CDが一番売れたのは99年だったと思います。
全レコード会社のCDアルバム、シングルの売上げ高が
約6,800億円。
ところが、
昨年度は約3,400億円でしたので、売上げは99年の半分です。
今はダウンロードや貸しレコード店の影響もあり、
CDを店で買うという時代ではなくなってきました。
今までのようなロイヤリティービジネスの時代では
なくなってきているわけです。
ビジネスの構造が変わっても、
サンデーフォークとしての基本スタンスとして変わらないことが
あります。
私たちはずっと名古屋で仕事をしてきました。
主に東京や大阪で世に出される音楽ソフトを、
名古屋の中でいかに上手に一所懸命伝えるかということを
考えてきました。
それはこれからも変わりません。
今後は更に、
名古屋のアーティストを、名古屋のメディアを使って、
名古屋の人に紹介して売っていく、その中で循環する。。。
というのがベストじゃないかと思っています
従来どおりアーティストやプロダクション、
レコード会社に対して名古屋の情報を発信し、
名古屋のメディアやユーザーには、いいソフトを提供し続ける。
サンデーフォークがそういう「媒体」であり続けることが、
理想型だと思っています。

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